ナツツバキの花

 あちこちのナツツバキ(夏椿)が花をつけ出した。今は寺院の庭だけでなく、公園にもよく植えられていて、湾岸地域でもよく見かける。幹がサルスベリに似ていて、そのサルスベリと並んで人気が高い。ナツツバキはツバキ科ナツツバキ属の落葉高木。別名はシャラノキ(娑羅樹)で、宮城県以西に自生。樹高は10m程度になる。ツバキに似ているのは花だけで、ツバキのように肉厚の光沢のある葉ではなく、明るい黄緑色で表面にしわがあり、落葉する(画像)。

 ナツツバキは古くから寺院などの庭に「シャラノキ」と称して植えられてきた。6月頃、新梢の基部近くの葉腋に、直径5~7cmのツバキに似た白い5弁の花が咲く。雄しべの花糸が黄色い。朝に開花し、夕方には落花する一日花。

 ナツツバキより花の小さいヒメシャラも山地に自生する。開花時期はナツツバキと同じ。ナツツバキは平家物語に登場する「サラソウジュ(沙羅双樹)」(フタバガキ科)と混同されがちだが、直接の関連はない。サラソウジュの幹高は30mにも達し、春に白い花を咲かせ、ジャスミンのような香りを放つ。寒さに弱く、そのため寺院は代用としてナツツバキを植えた。

*本来の「沙羅樹」は復活・再生・若返りの象徴で、仏教では二本並んだ沙羅の木の下で釈尊が入滅したことから、沙羅双樹とも呼ばれる。

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