ビョウヤナギとキンシバイの花

 今年の梅雨入りは例年になく早いようだが、梅雨時の花というと、まず思い浮かぶのはアジサイで、その花が色づき始めている。だが、ビヨウヤナギとキンシバイも忘れることのできない梅雨時の花である。花だけを遠くから見ると、よく似ているとつい錯覚してしまうのがビョウヤナギキンシバイ(画像)。むろん、よく見れば花だけでなく、葉や枝も随分と違っている。

 ビヨウヤナギは約300年前に中国から渡来した木で、5~7月に直径5センチ程度の花を枝先に数個ずつ咲かせる。枝先がやや垂れ下がる樹形で、葉がヤナギに似ているのでビヨウヤナギと呼ばれるが、ヤナギの仲間ではない。中国では金糸桃と呼ばれ、未央柳というのは日本でつけられた名前。

 キンシバイも、ビヨウヤナギと同じオトギリソウ科の仲間。5弁の花の形が梅に似ていること、そして雄蕊がたくさんあって、まるで金糸の束のようなので、「金糸梅」と呼ばれる。こちらも約200年前に中国から渡来した。

 キンシバイビョウヤナギの花を丁寧に見比べるなら、二つは私たちに随分と異なる印象を与える。私たちの感覚印象の違いは二つの植物の知識に付き纏い、時には雑音にさえなる。そして、キンシバイビョウヤナギは似て非なるものという記憶を残すことになる。二つの植物の花の画像を見比べながら、私たちが二つをどのように見ているのか自問自答してほしい。

*画像にはあえて植物名をつけないでおきますから、感覚印象と植物名を花について比べてみて下さい。

f:id:huukyou:20210521043244j:plain

f:id:huukyou:20210521043302j:plain

f:id:huukyou:20210521043320j:plain

f:id:huukyou:20210521043350j:plain

f:id:huukyou:20210521043423j:plain

f:id:huukyou:20210521043441j:plain