イヌツゲとシャリンバイの実

 イヌツゲ(犬黄楊)はモチノキ科モチノキ属の常緑樹で、豊洲市場の周りの公園に多く植えられている。見た目と名前がツゲによく似ているため、同じ仲間と思われがちだが、ツゲはツゲ科ツゲ属でまったく類縁関係がない。ツゲはたいへん成長が遅く、緻密でなめらかなツゲ材として櫛や印鑑の材料となるのに対し、成長の早いイヌツゲはツゲよりも材の質が劣るという意味で「犬(イヌ)」の名がついたらしい。イヌツゲは雄株と雌株に分かれる雌雄異株で、葉はツゲが対生であるのに対し互生。また、イヌツゲの果実は割れずに黒く熟す(画像)。

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 シャリンバイ(車輪梅)は、バラ科シャリンバイ属の常緑低木。シャリンバイは大気汚染や暑さに強いうえ、潮風にも強い。そのためか湾岸地域に多く植えられている。5月から6月には枝先に多くの白い花をつけ、秋には果実が黒紫色に色づく。シャリンバイは葉の形質やそのほかの変異も多く、変種に葉に丸みがあり樹高の低いマルバシャリンバイ(画像)がある。

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