イヌツゲの花

 イヌツゲ(犬黄楊)はモチノキ科モチノキ属の常緑樹で、湾岸地域ではポピュラーな植物です。見た目と名前がツゲによく似ているため、同じ仲間と間違われるのですが、ツゲはツゲ科ツゲ属で、類縁関係はありません。ツゲはたいへん成長が遅く、緻密でなめらかなツゲ材として櫛や印鑑の材料となるのに対し、成長の早いイヌツゲはツゲよりも材の質が劣るという意味で「犬(イヌ)」の名がついたようです。

 イヌツゲは雄株と雌株に分かれる雌雄異株で、果実がつくのは雌株だけ。花弁は4枚で、長さ2mmほどで白色。雄花は葉腋から長さ5~15mmほどの花柄を形成し、枝分かれして2~6個の花を咲かせます。雄花には4本のおしべがあり、雌花には4本の小さなおしべと中心にめしべがあります(画像)。

 イヌツゲの花は5月の終わり頃から6(7)月にかけて咲きますが、湾岸地域では既に咲き出しています。

*イヌツゲの実は最初青く、秋に黒く熟す(画像)。