クレマチスは定番のツル植物で、イギリスでは「蔓植物の女王」として親しまれています。クレマチスとテッセンは同じキンポウゲ科の蔓性の植物で、テッセンはクレマチスの原種の一つです。クレマチスはセンニンソウ属に属している花の総称の一つです。
テッセン(鉄線)という名前は日本で古くから親しまれてきた呼び名で、「クレマチスの総称」としても用いられてきました。今ではテッセンはクレマチスの一つの品種であると知られるようになっています。テッセンは中国から渡来したと言われています。
センニンソウも既に記しましたが、世界中に数え切れないほどの種類があるクレマチスの一種で、星型の小さな白い花を咲かせます。その花を最初に見たのは1月下旬で、随分と戸惑いました。センニンソウも蔓性の多年草で、きれいな白い4弁花(5弁、6弁もある)をつけます。
センニンソウ属のクレマチスには中国原産の「テッセン」、欧米原産の「インテグリフォリア」、そして、日本原産のボタンヅル、センニンソウ、ハンショウヅル、カザグルマ等があります。ハンショウヅルは釣り鐘型の花をつけ、普通のクレマチスのイメージとは随分と違います。画像は豊洲の公園の端で見つけた釣り鐘型のハンショウズルで、金網に絡みついています。上品な白色地で、外側や内側に赤紫色が入っています。クレマチスやテッセン、ハンショウヅルと見比べても、同じ仲間には見えません。
*ハンショウヅルに似た花は5月21日に記したキキョウ科のヤマホタルブクロの花です。ホタルブクロの日本固有の変種がヤマホタルブクロで、初夏に穂状花序を伸ばし、赤紫色、淡紅色、白色などの花を咲かせ、開花時期もハンショウズルに似ています。ヤマホタルブクロ(山蛍袋)は日本原産で、本州の関東、中部、近畿地方に分布するホタルブクロの変種です。また、同じキキョウ科のハタザオキキョウ(旗竿桔梗)はヨーロッパからシベリア西部が原産。日本へは大正時代に観賞植物として導入されました。茎頂にうなずいたような穂状の総状花序をだし、垂れ下がった鮮やかな青紫色の花を咲かせます。