ギョリュウの花

 和名は漢名の「御柳」の音読みで、楊貴妃がこの木をわざわざ後苑に植えさせ、簾を隔てて観賞したことから、御柳の名で呼ばれるようになったと言われています。また、中国では聖柳(テイリュウ)とも呼び、聖柳の聖は神聖な木の意味もあるようです。ヨーロッパでもギョリュウは聖書に記載があり、世界で最初に植樹された樹木です。その聖なるギョリュウグローバル化のお蔭か、最近はあちこちに植えられ、有難味はすっかりなくなってしまいました。ですから、私たちはごく普通の植物として見ています。

 ギョリュウは中国北部を原産とする落葉小高木で、タマリスクとも言います。日本へ渡来したのは享保年間で、当初は胃腸や肝疾患の生薬とされました。開花は初夏と秋の年二回。花には薄ピンク色の花弁と萼が5枚、雌しべ(花柱)3本、雄しべ5本があります。