ハナズオウの豆果

 ハナズオウ(花蘇芳)は中国原産のマメ科の落葉樹で、4月に画像のような見事な花が咲く。花をよく見ると、マメ科の花であることがわかる。別名は蘇芳花(スオウバナ)。葉が出る前に開花し、花には花柄がなく、枝から直接に花がついている。花は紅色から赤紫で長さ1cmほどの蝶形花。開花後、長さ数cmの豆果をつける(画像)。花蘇芳の名は、花弁の色が蘇芳(黒味のある赤色)で染めた色に似ているため。17世紀頃に日本に渡来したらしい。

 開花後につけた豆果は画像のように緑色の状態で、これが秋から冬にかけ黒褐色に熟す。春の花から豆果をつけるのは予想外かも知れないが、ハナズオウマメ科であることが納得できる。表面は無毛で、中には5〜8個の種子が入っている。

 近くの歩道にはハナズオウが植えられていて、春は花が綺麗なのだが、その後は黒くなるまで豆果がついたままで、少々興ざめな感がある。