シロバナのタイワンホトトギス

 私の知る限り、湾岸地域のホトトギスの大半はタイワンホトトギスの園芸種です。今年はそのタイワンホトトギスの花を楽しむ間もなく、いつもより早く終わってしまいました。日本のホトトギスタイワンホトトギスとの大きな違いは、花の付き方です。タイワンホトトギスは、茎の上部が枝分かれして、花を複数つけ、賑やかです。

 鳥のホトトギスは「杜鵑、杜宇、蜀魂、不如帰、時鳥、子規、田鵑」と書かれ、漢字表記の多い鳥です。「鳴いて血を吐く」と言われ、結核を患い、喀血した子規は自分をホトトギスに重ね、「子規」を俳号としました。彼が創刊した俳句雑誌『ホトトギス』もその俳号に因んだものです。

 画像のホトトギスは公園や庭に植えられた園芸種で、シロホトトギス(あるいはシロバナホトトギス)は「白楽天」という園芸名がついています。複数の花が賑やかなタイワンホトトギスは子規のホトトギスとは随分とイメージが異なっています。私のような子規とホトトギスの関連が強い人たちには違和感が強く、別名の方がよいと感じてしまいます。