シラン(紫蘭)は日本、台湾、中国などに分布するランの仲間で、漢字は「紫蘭」で、「紫色の花を咲かせる蘭」です。シランは種全体の名称ですが、普通は赤紫の花のシランを指します。実際、今花をつけているシランを見ても、ほとんどがこの赤紫色のシランで、花の色から名前がつけられたと思われます。
ところが、白花のシランも目に入ってきます(画像)。シロバナシラン(白花紫蘭)という訳で、「丸い三角形」とよく似ていることになります。この他にもアオバナシラン(青花紫蘭)、キバナシラン(黄花紫蘭)などがあるとなると、やはり同じことになります。シランの別名には「朱蘭、白及」などがあり、やはり朱や白が入っています。
「白花紫蘭」が形容矛盾だと難癖をつけるのもわかりますが、命名後に白い花が生まれたとなれば、歴史的な経緯を反映してシロバナシランとつけられ、その名前が固有名詞風に理解されてきたと考えることができそうです。