「スギナの胞子茎がツクシ」というのが二つの関係。スギナ（杉菜）はトクサ科トクサ属のシダ植物で、春先に出る「胞子茎」がツクシ（土筆）。子供の頃、ツクシを採って、食べたことを思い出す。ツクシは、スギナにくっついて出てくることから「付く子」、袴の部分で継いでいるように見えることから「継く子」。また、ツクシは土から出てきた胞子茎が伸びきる前は先端まで「袴」に覆われており、その形状が「筆」に似ていることから、「土筆」という字が当てられたようである。
スギナは胞子とともに地下茎でも繁殖する。春に胞子茎を出し、それが枯れると、光合成を行う栄養茎が伸びてくる。栄養茎は節で枝分かれし、内部は中空。私たちが見ているスギナは、実はこの枝分かれした茎であり、葉は退化し、節の部分に鞘状になっている。ツクシの胞子の入った袋は胞子嚢と呼ばれ、それをつける茎が胞子茎で、花が咲く植物の花茎にあたる（シダ植物は胞子、種子植物は種子で殖える）。
つまり、スギナが春先に出す生殖用の茎（生殖茎/胞子茎）がツクシで、スギナの方は栄養のための茎である。丁寧に探すと湾岸地域でもツクシとスギナを見ることができる。
