デュランタの花

 デュランタの和名はハリマツリ(玻璃茉莉)、タイワンレンギョウ(台湾連翹)。デュランタは藤色や白の小花が集まって房状に垂れ下がって咲く熱帯花木。丈夫で開花期間が長く、暖地では庭木として植えることができる。樹高30~600cmに生長し、ギザギザがある葉っぱの先に、紫の小さな花を房状に咲かせる(画像)。

 玻璃茉莉の玻璃は水晶、茉莉はジャスミンのこと。花の形はジャスミンに似ているが、なぜ「玻璃」なのか不明。原産地が中南米なのに、なぜ「台湾」連翹なのかもわからない。

 何と呼ばれ、それがどんな由来かということと、その植物の本性とが同じでないことは珍しいことではない。人は閃いたかのごとくに自然を垣間見るものだが、言語的な追求、分析は命名の出発点にあるとしても、真なる本性に触れることは原理的にできない。なぜなら、言葉は人の都合でできたものだから。謂い回しを巧みに使ってもっともらしく説明することは、基本的に落語のようなもので、それがもつ効力は人の生き方に対してであって、語られる自然やその中の対象の本性とは関係がないようである。

 こんな屁理屈とは別に、確かにデュランタの花をつけた容姿は見事で、美しい。日本へは明治時代中期に渡来し、沖縄などでは街路樹や庭木としてよく植栽されている。また、デュランタは夏の鉢物としても人気がある。