ハナセンナの黄色い花

 花の形からマメ科の木だとわかるのだが、なかなか名前がわからなかった。アンデスノオトメ(アンデスの乙女)という別名をもつハナセンナの黄色い印象的な花はマメ科の特徴を見事に示していて、花期は9-10月頃。ブラジル、アルゼンチン原産の常緑低木で、昭和初期に渡来し、暖地で観賞用に植えられた。

 「…センナ」と呼ばれる代表的なものには、ハナセンナ、モクセンナ、コバノセンナナンバンサイカチ、コチョウセンナ、バライロモクセンナ、カワラケツメイ等々がある。ハナセンナとの区別がつきにくいが、ハナセンナの葉は縦長で先端が尖るのに対して、モクセンナは長卵形、コバノセンナはモクセンナの卵形の葉を短くした感じである。コバノセンナ、ハナセンナ、ハネセンナ、フタホセンナの4種は高さがせいぜい3mほどの低木。

 ハナセンナは画像にある葉を夜になると閉じる。花は鮮やかな黄色の5弁花で、花弁は長さ1.5~2cmでまるく、雄しべは10本ある。葉は互生する長さ3~5.5cmの偶数羽状複葉(画像)。奇数羽状複葉のものは多いが、偶数羽状複葉はネム、サイカチ、そしてこのセンナ類ぐらい。

*単葉、複葉の幾何学

 一片の葉で構成される葉が単葉。「葉っぱ」は大抵この単葉を指す。また、複数の小葉で構成される葉が複葉。複葉はさらに小葉のつき方や数により、小葉が鳥の羽のようについているものを羽状複葉、小葉が奇数のものを奇数羽状複葉、小葉が偶数のものを偶数羽状複葉。複葉の小葉がさらに複葉になっていると、2回奇(偶)数羽状複葉、小葉がさらに複葉になっていると,3回奇(偶)数羽状複葉。葉のつき方の規則的、幾何学的な構成が見て取れる(葉の画像が不十分なので、葉だけの画像は改めて示すつもりである)。

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画像の下の葉の形状から偶数羽状複葉が見て取れる

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