公園の常連となったミツマタは落葉性の低木で、ジンチョウゲ科に属する。中国中南部・ヒマラヤ地方が原産地で、3月頃に黄色い花を咲かせる。ミツマタは新葉が芽吹く前の枝先に花だけ先に開花する。下を向いて咲く花には芳香があり、小さな花が集まって半球形をつくる。この小さな花に花弁はなく、花弁のように見えるのは筒状の萼の先端が四つに裂けて反り返ったもの(画像はミツマタの蕾)。
枝は三つに分枝し、これが「ミツマタ」の名前の由来となっている。強い繊維質の樹皮は、強度の高い良質の紙の原料として有名で、紙幣にも使われている。古くから日本に導入され、江戸時代から製紙に使われるようになった。各地で栽培されているが、岡山県の県北はミツマタの産地として有名で、山の斜面などを利用して栽培されてきた。
ジンチョウゲの仲間とは思いにくいが、ジンチョウゲもミツマタも枝が三叉になり、花の形もよく似ている。