「ワレモコウ」を我も乞う

 後藤比奈夫は「近づけば 紅遠のけば 吾亦紅」、小林一茶は「吾木香 さし出て花の つもりかな(ワレモコウよ、君はそれでも花のつもりかい?)」と詠んでいます。

 ワレモコウ(吾亦紅、吾木香、割木瓜、我毛香)の花穂の色は茶色に近い赤色で、草丈は50~160㎝ほど。花には見えない独特な形状をしていて、枝の先に穂のような形で小さな花が詰まっています。葉はノコギリの葉のような切れ込みがあります。

 実際、色づいた花は花弁ではなく葉が変形した萼です(画像)。根茎は黒褐色で太く、生薬の地楡(じゆ)になります。また、若葉は食用となり、和え物、油いため、佃煮などにします。