サマーグラッシー
何ともハイカラな名前で、サーフィンと関わりがあるのかなどと訝りながら、よく見れば何とヤマボウシ。そうとわかれば、途端に親近感が湧く。中国、朝鮮半島、日本の本州から琉球列島に分布するヤマボウシはハナミズキと並んで人気のある樹。自然に樹形が整い、幹肌が鹿の子模様で綺麗なため、庭園のシンボルツリーや景観木、公園木のほか街路樹としても広く利用されている。実際、私の周りでもヤマボウシはよく目にする樹である。
江戸時代に欧米へ渡り、観賞樹木として栽培された。花のように見えるのは本来の花弁ではなく、ハナミズキと同様、総苞片(花のつけ根の葉)である。そのため比較的花の観賞期間が長い。果実は8月から9月に紅橙色に熟し、果肉は粘質で甘い(画像参照)。
人気が高いために多くの園芸品種がつくられていて、ベニバナヤマボウシ、ハナヤマボウシ、緑色を帯びた小さめの苞を着けるアオヤマボウシ、葉に白斑が入るフイリヤマボウシなどがある。カラーグラスのように透明感のある幼葉から「サマーグラッシー」と名づけられた常緑の新種は、直立性の幹で樹形も美しく花は6月に咲き、秋には赤い果実がたわわに実る(画像はいずれもサマーグラッシー)。