ヤマボウシとハナミズキの実

 ヤマボウシ(山法師)は、日本から中国・朝鮮半島に分布する落葉高木で、山地に自生し、高さは5~10mです。白い花びらに見える総苞片(そうほうへん)が坊主頭と頭巾に似ていることから、「山法師」と名付けられました。総苞片の美しさや育てやすさから街路樹や庭園樹として人気が高く、湾岸地域でもよく見かけます。

 同じようによく見かけるのがハナミズキ。日本が原産のヤマボウシに対して、ハナミズキアメリカからの外来種で、日本にもたらされたのは1915年。1912年に当時の東京市長がワシントンの親日家にサクラの苗木を贈った返礼として、40本が贈られました。ヤマボウシハナミズキはよく似ていますが、ヤマボウシの総苞片は先端が尖っているのに対して、ハナミズキの総苞片は丸みがあり、先端が窪んでいます。また、ハナミズキは花期には葉がまだ出ていませんが、ヤマボウシは葉が出てから葉の上にのるように花が咲きます。さらに、ハナミズキは秋になると葉が紅葉し、落葉性ですが、ヤマボウシには落葉性と常緑性の両方があります。

 ヤマボウシハナミズキも今頃実をつけますが、ヤマボウシの実は球状の集合果で、赤く熟し、その中に極小の種子が入ってます。食用になり、果肉はオレンジ色で甘い味がします。一方、ハナミズキの実は集合果ではなく、個々に独立した実です。

*画像は順にヤマボウシの花、ハナミズキの花、シナヤマボウシとトキワヤマボウシの実、ハナミズキの実です。

f:id:huukyou:20200930050242j:plain

ヤマボウシ

f:id:huukyou:20200930050340j:plain

ハナミズキ

f:id:huukyou:20200930050402j:plain

シナヤマボウシ

f:id:huukyou:20200930050436j:plain

トキワヤマボウシ

f:id:huukyou:20200930050500j:plain

ハナミズキ

f:id:huukyou:20200930050534j:plain

ハナミズキ