シロヤマブキの白い花と黒い実

 バラ科のシロヤマブキ(白山吹)の開花は4、5月で、花弁は4枚で白色。日本では中国地方の石灰岩地に自生。現在は観賞用に全国の植物園や庭で植栽されている。ヤマブキに比べれば花数が少ない。「山吹色」の語源となったヤマブキにも白い花が咲く品種「シロバナヤマブキ」がある。シロバナヤマブキの花弁がヤマブキと同じ5枚であるのに対し、シロヤマブキの花弁は4枚しかない。最近はあちこちにヤマブキが植えられていて、子供の頃の素朴なヤマブキの記憶が汚されているような気がしてならない。

 シロヤマブキの実は痩果(種子が果皮に包まれ、それが一見種子に見える)で、一つの花に光沢がある黒色の実を3個か4個つける。黒く熟した実は野鳥に人気がないためか、長い間枝に残る。確かに私が見たシロヤマブキの実も葉の下に黒い実をたくさんつけたままだった。

 白い花が印象的なシロヤマブキはその後の3個か4個の実も見事に黒くなる。その白い花と黒い実を、時を同じくして観てみたいと思うのは私だけではないだろう。黄色い花の一重のヤマブキは5弁の花に実を1個から5個まで色々つけるが、八重のヤマブキは実をつけない。