9月のナツズイセン

 ナツズイセン(夏水仙)はホンアマリリスと同じヒガンバナ科の有毒の多年草。夏に花茎を伸ばして、ラッパ状の花を数個つける(画像)。花は、淡紅紫色で花びらは反り返り、目立つ茎は太く、花はヒガンバナ彼岸花)に似ているが、ヒガンバナより先に咲く。その名前は葉がスイセンに似ていて、花が夏に咲くことから。また、花期に葉がなく、そのためハダカユリ(裸百合)とも呼ばれる。原産地は中国で、古くに渡来した帰化植物と考えられている。

 その花姿はまさにヒガンバナの仲間であることを示しているが、ラッパ形の花は小振りなユリのようでもある。花色はかわいらしいやや淡いピンク色で、そこに薄い青色が微かについて、夏から秋への変化を描く水彩画を思わせる。