アラカシとタブノキの冬芽

 アラカシの葉の付け根にあるとがったヤリの先端のようなものは冬芽。4月になれば、この芽が開いて新しい葉と枝を伸ばします。それが「芽吹き」。先月頃は目立たなかった冬芽も次第に大きくなってきました。

 アラカシの「アラ」は葉の縁にあるギザギザが粗く、枝の出方が粗く、材が堅いことから、「粗い堅し」が「アラカシ」に転じました。アラカシは雌雄同株で、雌花の後にドングリをつけます。

*ドングリ(団栗、無食子)はブナ科の果実のことですが、実際にはクリ、ブナ、イヌブナ以外のブナ科の果実を指します。樹木になるものが果物ですから、クリもドングリも立派な果物です。でも、イチゴは草花ですから、果物ではなく、野菜です。

 湾岸地域でよく見かけるタブノキクスノキ科タブノキ属の常緑高木。画像のような枝先につく冬芽は卵形の頂芽で、「混芽」と呼ばれ、芽の中に花と葉が納められています。春になって混芽が展開すると、葉と花が出てきます。花は黄緑色、両性花で花被片は6片、雄蕊6、雌蕊1。果実は球形で緑色をしていますが、熟すと黒くなります。

 日本ではタブノキに「椨」の字をあてますが、中国ではこの樹を表す字は「楠」だとされています。クスノキ科ですが、タブノキにはクスノキのような匂いはありません。

**最初の二つの画像がアラカシ、残りの二つがタブノキ

アラカシ

アラカシ

タブノキ

タブノキ