タブノキの青い実

 タブノキは公園や庭に植栽されることがおおく、湾岸地域ではとてもポピュラーな樹木。また、『日本書紀』に登場するほど神事との関連が深く、「霊(たま)が宿る木」を意味する「タマノキ」から転訛したという説があります。

 タブノキの開花は新葉が出るのと同時期の4~5月頃で、直径5ミリほどの黄緑色の小さな花が円錐状に群がって咲きます。タブノキは雌雄同株で、始めは雌花が咲き、雌花の雌しべが退化すると、今度は花粉を出す雄花の性質を持つようになります。その雄花が終わると一旦閉じた花が再度開き、膨らんだ子房(未熟な果実)が現れます。画像の緑色の実は7~9月頃になると黒紫に熟します。

 タブノキの果実は果肉が少なくエグ味があるものの、ムクドリやタヌキなどはこれを好物とし、種子を拡散してくれます。南米原産のアボガドはタブノキと同じクスノキ科(ただしワニナシ属)の樹木で、日本ではタブノキが最もアボガドの木に近い性質を持っています。

*最後の画像は6日前のもので、もっぱらタブノキを食べるホシベニカミキリです。