ヒルガオについて記した後で気になっていたのはコヒルガオのこと。調べ直してみると、今湾岸地域で咲いているのはほぼすべてコヒルガオの特徴を持っている。ヒルガオとコヒルガオとの自然交配が続き、二つの境界が曖昧になっているようにも思える。
草むら、道端、運河の土手、公園など、どこにでも生える蔓性の多年草で、薄いピンク色のアサガオのような花は、湾岸地域ではまずはコヒルガオとみてよさそうである。
花期はコヒルガオが初夏から、ヒルガオが梅雨が明けて夏本番を迎えてから、と差があるので、まだ暫くは注意して見守りたい。真夏は両方の花が見られるので、二つの違いを観察するのに最適である。
ところで、ヒルガオとコヒルガオの中間的な性質を持つため、両者の雑種ではないかと考えられているのがアイノコヒルガオ。
その他に、アサガオ、セイヨウアサガオ、ハマヒルガオ、ユウガオ(カンピョウ)、ヨルガオ(シロバナユウガオ)など、どれもよく似ていて、紛らわしいことこの上ない。
*牧野富太郎『植物一日一題』(青空文庫、ヒルガオとコヒルガオについての考察)
**画像はどれもコヒルガオと思われる。