ネムノキの花

 ネムノキは樹高8mほどに育つ落葉高木です。夏には羽状複葉を広げて心地よい緑陰をつくります。葉は夕方になると閉じ、その姿が眠りにつくように見えるところからネムノキの名前がつきました。開花時期は、6月から7月末ごろまでですが、8月も終わりだというのにまだ咲いています。

 その花は随分と変わっていて、化粧用の刷毛(はけ)に似ています。普通は梅雨の終わりから盛夏にかけて咲くのですが、長く伸びた糸状のものはおしべです。花弁が発達しないで、おしべが花になっているのは、フサアカシアやオジギソウなどと似ています。花びらは一枚もないのです。

 夜になると小さな葉の列が、手を合わせるように重なり合います。それは、ちょうど手を触れて動いたオジギソウの葉が重なったような形に似ています。その格好が眠っているようで、ネムノキとなりました。オジギソウは手で触ると、すぐ葉が閉じますが、ネムノキは閉じません。ただ、葉が開閉するメカニズムは同じで、葉の付け根の少し膨らんだ部分(葉枕)の細胞の内部圧力(膨圧)の変化で開閉するのです。

 ネムノキはマメ科の植物で、実の形はサヤエンドウに似ています。

f:id:huukyou:20210831042207j:plain

f:id:huukyou:20210831042226j:plain

f:id:huukyou:20210831042240j:plain