NHKスペシャル「新型コロナウイルス瀬戸際の攻防~感染拡大阻止最前線からの報告」(https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi…)
昨夜のNHKの午後9時からの番組はこれまでの日本の対策がどのように行われてきたかを素直に描いていて、政治家も役人も、そしてジャーナリストもほぼ登場しない。押谷、西浦の二人をリーダーとする厚労省クラスター対策班が新型コロナウイルスに関するデーターを丁寧に収集し、戦略を練り、どのように闘ってきたかが余計なことなく直接的に描かれている。主役の二人から見れば、首相も都知事も、ジャーナリストやテレビのコメンテーターもすべては脇役。だが、肝心の正念場はこれから。雑音を入れる政治家、役人、ジャーナリストたちからの(情報の)接触を8割減らすなら、日本人の誰もが彼らの主張を素直に理解でき、その主張に従うのではないだろうか。
クラスター対策班は、日本のPCR検査能力が貧弱であり、日本の法律が行動変容の要請しかできず、病院の人工呼吸器が不足しているという日本の現状のもとで何ができるか考えなければならなかった。対策班は感染者の8割は他人に感染させないこと、三密が重なるとクラスターが起きることをデータから見つけ、クラスター潰しを行い、武漢からの第一波は乗り切ることができた。だが、今の第二波はクラスター潰しでは間に合わなく、人と人との接触の8割減で乗り切ろうとしている。それで感染者が減ったところで、再度クラスター潰しを行い、その間に医療体制をしっかり整えようというのである。
とはいえ、8割の接触削減の実現のための休業への補償を日本政府は行わない。補償を行うヨーロッパの国々では感染爆発が起こった。こうなると政治は雑音どころか、感染爆発を助けているように思えてならない。それでも政治家は誰も責任を取らないだろう。
以下のものは私が既に言及したものだが、いずれもNHKの番組の内容と重なるものであり、Twitterは特に有意義である。
・クラスター対策班に関する活動情報
https://www.jsph.jp/covid/files/gainen.pdf
・新型コロナウイルスクラスター対策班のTwitter
https://twitter.com/ClusterJapan
・NHKの特設サイト「新型コロナウイルス」
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/program/