山に咲くヤマザクラも、人里に咲くサトザクラも今年は人々から愛でられること少なく、早々に散っていった。それでも、園芸種の中には今でも咲いているサクラが結構ある。それらの幾つかを画像で愛でてみたい。
・紅豊(ベニユタカ)
松前紅豊(マツマエベニユタカ)とも呼ばれ、松前早咲と龍雲院紅八重の交配により生まれたサクラ。花は淡紅色で花弁の外側は濃紅色になり、八重咲きの大輪で芳香がある。
・紅笠(ベニガサ)
花は大輪、八重咲きで淡紅色。糸括と里桜の自然交雑による美しい八重桜。
・紅華(コウカ)
花は大輪、八重咲きで濃紅色。開花期は4月下旬。花色が濃く、開花期間が長い桜。
・アーコレード
紅山桜(ベニヤマザクラ)と小彼岸桜(コヒガンザクラ)の交配種で、イギリスで作出された。日本では、秋と春の二季咲きになり、花は淡紅色の大輪で半八重咲き。
・天の川
オオシマザクラ系のサトザクラで、ヤエザクラ、エドヒガン、マメザクラ、カスミザクラなどを掛け合わせて作られた。垂直に伸びる小枝と淡いピンク色の花が織りなす開花期の様子を「天の川」に見立てて名付けられた。
・ウコンザクラ
オオシマザクラ系のサトザクラで、江戸中期以前に作られた品種。名前の由来は花弁が香辛料で知られるウコン(鬱金)に似た萌黄色になることから。黄色い花を咲かせる唯一のサクラで、清酒「黄桜」はこの花にちなむ。咲き始めはウコン色あるいは薄緑色だが、すぐに白くなり、最後は中心部からピンク色に染まっていく。