マンリョウ(万両)は、ヤブコウジ属の常緑小低木。冬に赤い実をつけるため、実と濃緑色の葉を観賞する縁起植物として親しまれてきた。江戸時代から実の色が違ったり、葉に斑が入ったり、縮れたりするものなど園芸化が進んだ。明治に多くの品種がつくられ、昭和初期にも流行。
マンリョウと並んで、センリョウ(千両)も有名だが、センリョウはセンリョウ科でまったく違った種類である。センリョウの実は葉の上に、マンリョウの実は葉の下にできる。また、ヤブコウジ(別名は十両)もよく似ていて、同じヤブコウジ属。ヤブコウジは高さ10cmほどなので区別ができる。これらと共にアリドオシ(一両)を植え、「千両、万両、有り通し(お金がいつもある)」と縁起を担ぐことで知られる(蛇足ながら、カラタチバナの別名が百両)。
さて、肝心のマンリョウだが、7、8月に枝先にピンクがかった白い小さな花を咲かせ、その後にできる実は寒さが深まるにつれて赤さと光沢を増す(画像)。実が白いマンリョウは「シロミノマンリョウ」と呼ばれ、縁起を担いで紅白併せて植栽されることも多い。湾岸地域にもマンリョウがあちこちに植えられ、赤い実をつけている。白色のマンリョウは少ないが、それでも目にすることができる。今が「実盛り」である。