2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ツバキの花

サザンカやカンツバキが多い湾岸地域にはツバキもある。ツバキ(椿)はツバキ科ツバキ属の常緑樹で、光沢のある濃い緑の葉が特徴。厚みのある葉の意味で「あつば木」、光沢のある葉の「光沢木(つやき)」等、いずれも花より葉の美しさが名前の由来となる。和…

それぞれの正義

先日右京さんの正義について述べた。未だに人気のテレビドラマ『相棒』の杉下右京さんは共同体、国家といった組織の安泰より正義を優先する孤高の一匹狼。高倉健が人情ではなく義理のために戦うように、右京さんは警察組織の存続、維持などより、あくまで法…

人格、そして、村格、都市格

タイトルの人格を基本にして、その類推として村格(柳田國男)、都市格、さらには国の品格等々、「格」があちこちで使われてきた。 大阪商工会議所の会頭を務めた大西政文の著書『都市格について 大阪を考える』(1995)の刊行によって、広く政財界や都市問…

アイスランドポピーの花

アイスランドポピーの花がもう咲いている。流石にまだ二輪だけだが、春の訪れを感じる。アイスランドポピーはケシ科ケシ属の多年草。シベリアが原産で、ケシの中では最も広く栽培されている。普通に「ポピー」といえば、この花を指す。高さは30-40cmになり…

ローズマリー

ローズマリー「ミスジェソップスアップライト」(Rosmarinus officinalis 'Miss Jessopp's Upright') ローズマリーには沢山の種類があるが、何とも長い名前のこのローズマリーはイギリスで昔から栽培されている品種。細葉で清楚な姿で、スカイブルーの花を…

三色すみれに触発されて

クロード・レヴィ=ストロース(1908~2009)はフランス人の社会人類学者、民族学者。大学で法学と哲学を学び、大学時代はマルクス主義の影響を受け、社会主義運動を行っていた。その後、民俗学、人類学を研究し、ブラジルで先住民のフィールドワークに取り…

構造をもったパンジー集団

スミレ科のスミレ属(Viola)にはスミレ、パンジー、ビオラなど多くの種が含まれる。パンジー、ビオラは、ヨーロッパに自生する野生種から育種され、かつては大輪のものをパンジー、小輪で株立ちになるものをビオラと呼んで区別していたが、複雑に交雑された…

深川から細道へ:芭蕉の徘徊

芭蕉は自らの俳諧を求めて徘徊し続けました。芭蕉は発句の自立としての俳諧を求め、自ら推敲を重ねるという編集方法を生み出しました。芭蕉の旅先は大都会ではなく、奥の細道にある小さな町や村落であり、人里離れた自然、荒れ野であり、その風景を求めて彼…

ソシンロウバイ(素心蝋梅)

ソシンロウバイは、中国中部原産で、日本には15世紀初頭に渡来したロウバイの変種。「蝋」は蝋細工のように見える花の姿から、梅と同じ早春に花を咲かせることから「梅」がつくが、バラ科の梅の一種ではなく、ロウバイ科の落葉低木。そのロウバイの花は中心…

二つの世界:驚きのない世界と驚きのある世界

私たちは生きている世界は実に様々です。常識的な日常の世界、個人の精神的な世界、科学的な世界等々、複数の世界が共存し、それぞれ相対的な位置をもっています。そのような多様な世界の中から二つの異なる世界を取り出し、比べて見ましょう。そして、それ…

水仙物語:ミニラッパスイセンとペーパーホワイト

「水仙」の音読みが「スイセン」。それは中国古典「天隐子神解章」の「在人谓之人仙,在天曰天仙,在地曰地仙,在水曰水仙,能通变化之曰神仙。故神仙之道有五,其渐学之门则一焉」(仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙)に由来する。…

懐疑:小心な経験主義者の告白あるいは表明

嘘しかつかない狼少年が「今自分が言っていることは嘘だ」と自己言及(self reference)したとき、それは嘘なのか、と問われてどう答えますか。「自分は嘘つき」と叫んだのが狼少年で、その狼少年は嘘しか言わないのですから、「自分は嘘つき」は嘘になり、…

オタフクナンテン(お多福南天)

ナンテンは日本の暖地や中国を原産地とし、そのナンテン属のオタフクナンテンは園芸種である。背が高くならない「矮性」の品種で、取り扱いが簡単で、赤い葉が美しいため、カラーリーフとして公園、歩道などの植え込みに幅広く利用されている。湾岸地域でも…

真空への好奇心:科学と信仰の違い(昨日の修正版)

私たちは知りたいという好奇心をもち、それは私たちの本能の一つと思われている。その好奇心をタブーとして捉えた最初の人がアウグスティヌスだった。アウグスティヌスによれば、好奇心は感覚的なものに陶酔して精神の腐敗をもたらす「目の欲」であるため、…

カンツバキ(寒椿)

ツバキやサザンカ、あるいはヤブツバキなどに比べて樹高が大きくならず、枝が横に伸びる性質があることから、葉や花を見下すことができ、しかも自然に形が整いやすことから、公園や歩道の植え込み、一般家庭の庭木として広く使われている。ツバキやサザンカ…

真空と好奇心:科学と信仰の断片

知りたいという好奇心をタブーとして捉えた最初の人がアウグスティヌス。好奇心は感覚的なものに陶酔して精神の腐敗をもたらす「目の欲」であるため、虚栄欲(野心)や肉欲と共に三つの罪とされた。その「好奇心を嫌う」文化は中世を支配し、修道院内の道徳…

連続的な無限が溢れる物理世界の描像

1教科書風に考えると… どんな広大な砂漠の砂粒でもその数は有限です。というのも、砂粒には必ずサイズがあり、どんな微小な砂粒でも無限個集まったら、砂漠の面積も無限の大きさになってしまい、そのため有限のサイズしかもたない地球にはこのような無限の面…

サザンカの花

サザンカ(山茶花、Camellia sasanqua)はツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹。私など童謡の「たきび」の歌詞でサザンカを知ったのだが、今の子供たちにはその歌詞さえ非日常的な風景だろう。秋の終わりから、今頃の寒い時期に、5枚の花弁の花を咲かせる。サザン…

出初式後のはしご車搭乗体験

6日に東京臨海広域防災公園を会場にして消防出初式が行われた。都知事も出席した出初式は午前中に終わったが、木遣行進、はしご乗り演技などもいつも通り行われた。 その後、子供たちのはしご車への搭乗が行われ、多くの子供たちが滅多にできない体験を味わ…

春の海に海王丸

新春の有明西埠頭に海王丸が停泊している。いつもの停泊場所で、正月休みなのだろう。いつ見てもその姿は優美で、惚れ惚れする。帆船は人を惹きつけるが、大型の海王丸は格別である。 海王丸は、独立行政法人海技教育機構の航海練習船で、日本丸と並ぶ日本を…

忘れる、そして、憶える

(1)忘れたくても、忘れられない (2)憶えていたくても、憶えていられない (1)は忘れない、つまり憶えていることを述べ、(2)は憶えていない、つまり忘れることを述べていて、(1)と(2)は反対のことを述べていることがわかります。要するに、(1)は…

右京さんの正義

『相棒』は未だに人気のテレビドラマ。杉下右京さんは共同体、国家といった組織の安泰より正義を優先する孤高の一匹狼。高倉健が人情ではなく義理のために戦うように、右京さんは警察組織の存続、維持などより、あくまで法の正義を優先し、そのために行動す…

イスノキの葉の虫こぶ

イスノキ(蚊母樹、柞)は、暖地に自生するマンサク科の常緑高木で、葉にしばしば虫こぶがつく。本来、本州西南部、四国、九州に分布する樹木で、自生は九州南部や沖縄の沿岸部が多い。イスノキコムネアブラムシの寄生では葉の面に多数の小型の突起状の虫こ…

時間にこだわり、思索した人たち

時間についてこだわりをもった重要な人物とその主張を以下に列挙してみよう。 Aristotle (384-322 BCE) 時間は世界の構造の基本である。あらゆる変化は原因を必要とする。運動しているものはみな何かによって動かされなければならない。 Archimedes (287?-21…

故郷の風景や風土

私の故郷の一部は国立公園で、その見事な風景に魅了されるのですが、風景とはいつ、どのように出現したのでしょうか。風景や景色とは一体何なのかを考え、それを基礎にして観光や公園について思いを巡らし直してみましょう。そのためには、普通は考えること…

アカツメグサ

アカツメグサ(赤詰草)あるいはムラサキツメクサ(紫詰草)はマメ科シャジクソウ属の一種で、一般に赤クローバーとも呼ばれる。開花時期は春から秋と言われるが、今は冬でも開花している。ヨーロッパ原産で、花はクローバー(シロツメグサ)にそっくりだが…

メノンのパラドクス から反証可能性や好奇心へ

哲学者の中でも高貴な哲人と言われてきたのがプラトン。彼の弟子のアリストテレスが経験を重んじる科学者と称されるのとは好対照です。そのプラトンの科学観はピタゴラスと同じように大変神秘的です。感覚や知覚でわかる世界は誤るばかりで、理性によって知…

マサキの種

マサキは、ニシキギ科ニシキギ属の常緑低木。日本全国に分布し、丈夫で成長が早く、刈り込みにも強いため、生垣の定番である。園芸品種が多いが、江戸時代から品種改良が進み、いわゆるカラーリーフとして庭のアクセントにもなる(オウゴンマサキ、ギンマサ…

シャクナゲの狂い咲き?

シャクナゲ(石楠花)はツツジの仲間で、ツツジ科の花の狂い咲きは、お馴染みのこと。それは冬の間もよく見られ、公園や歩道の植栽のツツジの中に咲いている姿を見つけることができる。 シャクナゲには園芸種が様々あり、最近ではセイヨウシャクナゲがよく出…

新年に思う

新年おめでとうございます。 新年に思い浮かぶのは上田敏の訳したロバート・ブラウニングの「春の朝」。 The year’s at the spring,(時は春、) And day’s at the morn;(日は朝(あした)、) Morning’s at seven;(朝は七時(ななとき)、) The hill-sid…