イスノキの葉の虫こぶ

 イスノキ(蚊母樹、柞)は、暖地に自生するマンサク科の常緑高木で、葉にしばしば虫こぶがつく。本来、本州西南部、四国、九州に分布する樹木で、自生は九州南部や沖縄の沿岸部が多い。イスノキコムネアブラムシの寄生では葉の面に多数の小型の突起状の虫こぶを、イスオオムネアブラムシの寄生では丸く大きく膨らんだ虫こぶ(ひょんの実)が形成される(画像は葉の小型の虫こぶで、ひょんの実ではない)。虫が葉っぱや枝、実、芽などの部位に卵を産み付け、寄生すると、その部分が異常にふくらんで「こぶ」になる。アブラムシが出ていったあとのこの虫こぶは、昔の子供たちの遊び道具となっていた。この虫こぶを吹くと「ヒョン」と音がすることから「ひょんの木」とも呼ばれている。

 イスノキは庭木のほか公園や神社、植物園などにも植えられている。日本に自生する樹木の中でも、特に材質が硬くて重い樹木で、それを活かして、そろばん珠や木刀などに利用されてきた。

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