春の海に海王丸

 新春の有明西埠頭に海王丸が停泊している。いつもの停泊場所で、正月休みなのだろう。いつ見てもその姿は優美で、惚れ惚れする。帆船は人を惹きつけるが、大型の海王丸は格別である。

 海王丸は、独立行政法人海技教育機構の航海練習船で、日本丸と並ぶ日本を代表する大型帆船。画像は1989年に竣工した2代目(海王丸II世)。2,556トンで、全長110m、マストの高さは約50m。日本丸II世との外見の違いは「船首像」、「船体のライン数」、「救命艇の形状」などである。初代の海王丸は引退し、今は富山新港の「海王丸パーク」に保存されている。

 海王丸II世の船首には少女像が見える(画像)。1985年に日本丸II世が就航した際に、日本丸II世と海王丸に船首像が取り付けられた。これらの船首像は東京芸大の西大由教授によって制作されたもので、日本丸II世の船首像は手を合わせて祈る女性の姿をした「藍青(らんじょう)」、海王丸の船首像はその妹として、横笛を吹く女性の「紺青(こんじょう)」である。この「紺青」は海王丸II世に引き継がれた。

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