ノブドウ(野葡萄)の実は9~10月頃、青色から赤紫、時に白色など、様々な色に熟し、鳥に食べられることによって種子があちこちに散布されます。ブドウミタマバエやブドウトガリバチといった昆虫の幼虫が実の中にしばしば寄生することがあり、特にブドウミタマバエの幼虫に寄生された果実は大きく肥大します。実が様々な色に熟すのは、昆虫の寄生のためと言われてきましたが、実は正常な状態でも様々な色に熟します。
ノブドウは果実と葉が交互につくのが特徴で、青色、空色から紺色、紫色に色づいた小さな実は宝石のように美しく、つい見惚れてしまいます。
*ノブドウの実の色の違いは主にアントシアニンという色素の量と種類によるものです。アントシアニンは酸性度や光の当たり具合によって色が変わる性質を持っています。そのため、同じ植物でも実の色が青、紫、赤など様々に変化することがあるのです。