コムラサキの実が色づいてきた…

 江戸や京都には小江戸や小京都があり、蝶にはオオムラサキコムラサキがいる。そして、植物にはムラサキシキブ紫式部)、コムラサキ(小紫)がある。

 私には気品の塊に思えるのがコムラサキで、シソ科に属する。既に花は終わり、綺麗な実が紫色に変わり始めている。根元に近い方から順次開花し、それを追うように実をつけていき、その実は緑色から紫色に変わる。コムラサキムラサキシキブに似ていることからついた名前だが、庭木としてよく植えられてきた。

 ムラサキシキブコムラサキより大型のシソ科の落葉低木。日本各地の林などに自生している。オオムラサキシキブはムラサキシキブより大きな変種。それらを見比べるなら、紫式部の名前に相応しいのはコムラサキの方だと思えてならない。

 コムラサキの実の紫色は青みの勝った「江戸紫」である。花より実の方が圧倒的に人気のある「花より団子」の植物の一つである。「愛でるのは花ではなく、実である」のがコムラサキで、シロミノコムラサキはそのコムラサキの白花品種。花が白色で、実も白色。一方、ムラサキシキブの白花品種はシロシキブと呼ばれるが、シロミノコムラサキもシロシキブと呼ばれることがある。

ムラサキシキブコムラサキの見分け方

ムラサキシキブは実と実の間が開いているが、コムラサキの実は密集している。

ムラサキシキブは花軸(花や実が付く枝や茎のこと)と葉との隙間がないが、コムラサキはその隙間がある。

*最初の画像が花、次の二枚の画像が色づき出した今の実、次が色づいた実、最後がシロミノコムラサキの実

コムラサキの花

シロミノコムラサキ