コムラサキの実

 「コムラサキ」という名前の蝶がいるが、植物の「コムラサキ」はシソ科ムラサキシキブ属の落葉低木を指している。日本だけでなく、中国や朝鮮半島にも分布する。同属のムラサキシキブとともに紫式部に因んで名付けられた。ムラサキシキブは樹高が3mにもなる「木」という印象だが、コムラサキは樹高が1.5m程度に収まり、いわゆる「下草」として、より広く親しまれ、園芸植物として普及している。

 コムラサキは「小紫」の名の通り、紫色の実をつけるが、その紫色は青みの勝った「江戸紫」で、花より実の方が圧倒的に人気のある「花より団子」の植物の一つ。「愛でるのは花ではなく、実である」のがコムラサキで、シロミノコムラサキはそのコムラサキの白花品種(画像)。一方、ムラサキシキブの白花品種はシロシキブと呼ばれている。

 コムラサキ、シロミノコムラサキは湾岸地域のあちこちに植えられている。10月に入り、そのコムラサキとシロミノコムラサキがたくさんの実をつけている。

*画像の一つの中の赤い花はマルバルコウ