マルバフジバカマの白い花

 キク科のマルバフジバカマ(丸葉藤袴)は10月に真っ白な花をつけます。それが白花のフジバカマに似ています。フジバカマは古い時代に中国から渡来しましたが、マルバフジバカマは北アメリカ東部が原産の帰化植物です。ところが、明治時代に箱根で発見されました。1896(明治29)年に小石川植物園に移入され、1916(大正5)年観賞用に強羅公園に植えられていたのですが、それが公園外に逸出、強羅のまわりに広がっていきました。

 マルバフジバカマは人間に致命的な有害物質を含み、かつて、これを餌として食べた牛の牛乳や肉を食した人間が死亡する事故が起きたことがあるため、管理には注意が必要です。

*マルバフジバカマの葉と茎には毒性の高いトレメトールが含まれています。マルバフジバカマを食べた牛のミルクや肉には毒素が含まれていて、それが人間に伝わります。大量に摂取すると、ミルク病と呼ばれる状態が発生します。アメリカ東部ではミルク病で1000人もの人が死亡しました。