ツルムラサキ(蔓紫)が絡まった姿を見て驚き、それが食べられると知ってさらに驚いたのは数年前のこと。とはいえ、まだツルムラサキを食べておらず、その味を伝えることができない。
ツルムラサキはツルムラサキ属の二年草で、熱帯アジア原産のつる植物。今では食用としても栽培されている。花期は夏から秋にかけてで、花には花弁がなく、萼片も全部は開かない(画像)。カロチンが大変多く含まれ、若い茎葉をおひたしや和えもの、また炒めものや汁の実に利用できる。食用は主に緑茎種(画像は赤茎種)。
夏に旬を迎える緑黄色野菜「ツルムラサキ」はほうれん草や小松菜、モロヘイヤに似ている。栄養価はほうれん草より高く、ビタミン・ミネラル類が豊富。ビタミンCやβカロチン、カルシウム、鉄などが含まれている。また、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維ともに含み、不溶性の方が約3倍の量。
黒い実をつぶすと、鮮やかな赤紫の果汁が出る。この果汁を食紅のようにゼリーや和菓子などの色づけに使うと、薄紫のきれいな色の食品ができる。青い実は葉と一緒にゆでて、おひたしにすると、海ぶどうのようにプチプチしておいしいらしい。熟した黒い実は、中に大きな種があるが、緑のものはまだ種は無く、丸ごと食べられる。