ウメ、モモ、サクラが咲いて、春を感じる中で、バラ科サクラ属の落葉小高木キクモモ(菊桃)も満開である。キクモモはハナモモの一品種で、名前は花弁が細長くキクに似ていることに由来(「キクイモ」に似ている)。別名はゲンジグルマ(源氏車)。濃い紅色の八重咲き。花期は3月下旬から1か月ほど。
花モモの品種である「照手桃」、「源平枝垂れ」なども花をつけている。キクモモは、その花モモの仲間で観賞用として育てられてきた。花モモは花を観賞する目的で作出された桃の仲間で、果実の収穫が目的の実モモではない。
ところで、モモの原産地は黄河上流の高原地帯。日本に渡来したのは、弥生時代かそれ以前で、サクラの原産地はネパール、ウメは四川省、湖北省。三つとも「バラ目・バラ科・サクラ属」で、花びらの先端が梅=丸、桜=先割れ、桃=尖っているという違いがある。中国で花といえば桃であり、桃の花が愛されてきた。中国の不老長寿の理想郷は桃源郷。