オトメザクラ(乙女桜)の花

 「オトメザクラ」という名前も差別の匂いがしますが、別名の「プリムラ・マラコイデス」は日本語の中では中立的で、そのため園芸ではこの名前がよく使われます。別の名前は「ケショウザクラ」。

 プリムラ・マラコイデスとサクラソウはどちらもサクラソウサクラソウ属に属し、見た目もよく似ています。でも、プリムラ・マラコイデスは洋種のセイヨウサクラソウの園芸種、サクラソウは日本古来の野生種で、「日本桜草」とも呼ばれます。サクラソウの語源は、花の形が桜の花に似ていることに由来し、古くから観賞用として栽培してきた日本を代表する花の一つです。

 サクラソウの学名Primula sieboldiiは、ドイツの博物学シーボルト(Siebold)の名前に因みます。一方、プリムラ・マラコイデスは中国の雲南省原産の一年草です。暑さに弱いので、6月から7月、あるいは9月にタネをまき、翌年の早春から花を楽しみます。

*似た名前のシバザクラは地に這うようにして、春に桜に似た花が咲き、それ以外の時期には葉が芝生のように広がります。