オウバイモドキの花

 オウバイ(黄梅)は中国名で「迎春花」と呼ばれるツル性低木で、ロウバイ(蝋梅)に似た黄色い花を咲かせます。このオウバイによく似ているのがオウバイモドキ(黄梅擬)です。オウバイは、落葉性、花期が2-4月、花の径は2-3㎝で一重、オウバイモドキは常緑性、花期は3-4月、花の径は4-5㎝で八重になります。そのオウバイモドキの花が今年も咲き出しました。

 春は黄色い花が多いのですが、その先駆けになる花の一つがオウバイです。ロウバイ(蝋梅)の花が最盛期を過ぎた頃から咲き出します。オウバイロウバイも梅ではないのですが、名前に梅が使われていて、梅の花が昔から大切にされてきたことがわかります。

 さて、オウバイモドキはオウバイの近縁種で、別名がウンナンオウバイ雲南黄梅)。日本に入ってきたのが明治初期なので、17世紀頃先に伝来したオウバイに似ているとして、「モドキ」という気の毒な名前が付けられたようです。オウバイモドキの花期は3-4月でオウバイより少し遅く、花の大きさは3-4㎝と大きめです。また、花びらは重なったようにつくので、八重のように見えます(画像)。さらに、オウバイモドキは常緑樹なので、花の時期にも葉がついています。

*昨日の「ヒメキンセンカ」、今日の「オウバイモドキ」は現在ならば差別用語と呼んでもよいような名前です。動植物の名前には日常言語が強く、深く影響してきました。その典型例が動植物の種名です。むろん、微笑ましい名前、滑稽な名前なども多いのですが…