ハナイソギク(花磯菊)はキク科キク属の多年草で、イソギクの分布域に重なっています。イソギクについては既に11月11日に記しました。イソギクの頭花は黄色い筒状花が集まっているだけですが、ハナイソギクは周辺部に白い舌状花がついています。つまり、イソギクは茎の上部に密な散房状の花序を出し、頭花を数多くつけますが、ハナイソギクはそこに白い舌状花がつき、黄色の管状花と舌状花の二つからなっているのです(画像)。
こうなると、人間はこの違いを説明したくなります。ハナイソギクはイエギクとイソギクの間の交雑種で、その結果、イエギクの花が残ったと推測されています。でも、『牧野原色植物図鑑』では、海岸に適応するために舌状花を失ったイソギクが先祖返りしたのではないかと考えられています。
*「交雑したため、先祖返りできた」のか、「先祖返りのために、交雑した」のか?この科学少年風の問いを生物学の中で解答するのはとても厄介です。