イソギクとハナイソギク

 イソギク(磯菊)はキク科キク属の多年草で、磯の菊ということから「磯菊」の名がある。日本固有の野生の菊で、分布域は千葉県犬吠崎から静岡県御前崎にあり、海岸の崖や岩場などに自生。イソギクの栽培は江戸時代から始まっており、現在では自生地以外でも野生化していて、あちこちで見ることができる。湾岸地域の公園や緑道にも植えられていて、今花が咲き出している。

 イソギクの花期は10月~12月上旬。花期になると、伸びた茎の頂部に、花径1.5㎝程度の頭花を散房状に多数咲かせる(画像)。派手な花ではないが、花の少なくなる時期に咲くため、鮮やかな黄色が魅力になっている。花色は黄色のみ。

 こんな説明を思い出しながら見ていると、白い花が見える。後で調べると、これはハナイソギクで、イソギクと栽培のキクとの交雑したものだとわかる。頭花は黄色の管状花と、白や黄色の小さな舌状花からなる(画像)。これまでイソギクと断じて見ていた私の知覚は一変し、イソギクかハナイソギクかの判断が加わることになった。

f:id:huukyou:20201129072716j:plain

イソギク

f:id:huukyou:20201129072754j:plain

イソギク

f:id:huukyou:20201129072828j:plain

ハナイソギク

f:id:huukyou:20201129072857j:plain

ハナイソギク