菓子としてのグミは随分と新しく、まだ生まれたばかり。1922年にドイツで発売され、日本では1980年代から菓子メーカーがグミをつくるようになりました。ですから、私の子供の頃の記憶には登場しません。小さな子供たちが食べているグミは私には実に不思議な食べ物です。そのため、「グミ」は私にはあくまで植物のグミなのです。
アキグミ(秋茱萸)はグミ科グミ属の落葉低木。3月に入り、若葉が見え始めたと思っていたら、いつの間にか白い花がいっぱい咲いています。
アキグミは東アジアからヒマラヤにかけての原野に群生する落葉低木。高さは2~3m。葉の裏は白い鱗片が密生し、風にひらめき、白く見えます。秋には実が熟しますが、グイ(とげ)のある実グイミが転じてグミとなり、まとめてアキグミという訳です。秋に赤熟する実は甘く、生でも食べることができます。子供の頃にその実を2,3個口に入れたときの甘さを今でも憶えています。とはいえ、今の子供たちの「グミ」はまるで別の食べ物です。