3月に入ると、世の喧騒とは無関係に野原に春の花が咲き出します。そんな野草の一つがキュウリグサ。キュウリグサの花はとても小さく、よくよく見ないと見過ごしてしまうのですが、目を近づけてみると、ワスレナグサによく似た花をつけています。
キュウリグサ(胡瓜草)は、ムラサキ科キュウリグサ属の雑草で、その名前は葉を揉むとキュウリのような匂いがすることに由来します。茎の先にサソリ形花序をだし、直径約2mmの淡青紫色の花を次々に開きます。
そのキュウリグサを拡大したような花をつけるのがワスレナグサ。ワスレナグサ(勿忘草、忘れな草)もムラサキ科で、ワスレナグサ属の総称です。直径5mmほどの小さな花が咲きます。ワスレナグサはその名前だけでなく、画像の花も、流石にキュウリグサより美しさを強調していて、見事なのですが、キュウリグサの野生の美しさも捨てがたいものがあります。
*キュウリグサとワスレナグサの間にあるようなノハラムラサキはワスレナグサ属で、キュウリグサよりワスレナグサの花に似ていて、直径が3mmほどです。