フェイジョアはフトモモ科の常緑低木。果物として栽培されるだけでなく、庭木や生垣用としても人気がある。ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部原産。果物としては主にニュージーランドで栽培されていて、別名はパイナップルグアバ。
花弁は外側の白と内側の赤に分かれていて、雄蕊の鮮やかな赤が引き立っている。また、フェイジョアの花も食べることができる。フェイジョアの果実を生食する場合は、食べる前に追熟させた方がよい。追熟された実は香りが強く柔らかくなり、実際の糖度も上がり、甘みが増す。生食の場合はパイナップル香と洋ナシの食感がある。
フェイジョアは品種により、自家受精(自身の花粉で実をつけること)するものと、しないものがある。
植物は自家受精をする。自家受精を行った場合, 父(雄蕊)と母(雌蕊)は遺伝的に同一で、有害なはずである。(近親交配によって)遺伝的な多様性を失った個体群は、環境変化に適応する能力を失い、全滅の危機にさらされることになる。では、なぜ植物は自家受粉するのか。遺伝的に不利な自家受粉が、なぜ進化の淘汰圧を受けても生き残ってきたのか。
自家受粉すると良いことがある理由は次のようなもの。(1)自家受粉の方が他家受粉よりも効率がよい。確実に受粉できて、子孫を残せるチャンスが大きい。(2)有害な遺伝子を持たない個体群にとって、自家受粉は持続しやすい。自家受粉に代表される近親交配は、劣性遺伝子を発現しやすくするため、悪い遺伝子を見つけ出す効果がある。
長い進化の歴史の中で、植物は自家受粉して子孫を増やし、時に他家受粉して遺伝的多様性を確保するという進化戦略を採用することによって、今日に至ったということだろう。このようなことが「自家受粉が必ずしも進化的に不利ではない」という理由である。