キョウガノコはシモツケソウと似ていて、違いは茎にトゲがないことくらいと言われている。名前は京染の鹿子絞りに似ていることからだが、シモツケソウは下野国(栃木県)が由来の名前で、そこから二つの植物の違いが窺える。
キョウガノコは高さ30~80cmの多年草。茎には稜があり、直立。茎先に散房花序を出し、径4~5mmで淡い紅色の4~5弁花を多数つける(画像)。20~25本の長い雄蕊が目立つ。古くから栽培されているが、交雑親が不明の雑種起源種。一方、シモツケソウは日本の固有種で、山野に分布する。園芸種のキョウガノコは赤紫の花穂と掌状の葉が和の趣を感じさせる。キョウガノコの分類はバラ科シモツケソウ属。側小葉がなく、頂小葉だけなのが特徴。シモツケソウより全体的に大振りで、株は自然と姿がまとまる。茶花や日本庭園に用いられる。
ところで、シモツケもキョウガノコも同じバラ科の植物だが、シモツケはシモツケ属、キョウガノコはシモツケソウ属に分類されている。シモツケは高さ1m前後の落葉低木。それに対して、キョウガノコは草本、つまり草(多年草)。葉の先がいくつかに分かれているのがキョウガノコ。それに対して、シモツケの葉先はまっすぐで、先も分かれていない。シモツケの花はアジサイのように、半球状にまとまって咲く。それに対して、キョウガノコはシモツケよりは拡散して咲く。
*シモツケソウの画像がなく残念だが、シモツケとキョウガノコの違いを画像で知ってほしい。