「狐の孫」、「小海老草」は動物に因んだ、変わり種の名前。名前も、外見も似ても似つかぬ二つなのだが、メキシコ原産の園芸種コエビソウ(小海老草)は、日本では道ばたに自生する雑草のキツネノマゴと同属なのである。
コエビソウという名前は花のつく穂が苞に覆われていて、その形が小海老の尻尾に似ていることに由来する(画像)。赤褐色の苞が鱗状に重なり合い湾曲し、エビの胴体のような格好をしている。 エビの胴体のような部分は「花序」で、花はその間から顔をのぞかせるように咲く。花色は白で筒状、紫色の斑点が入っている。花は季節に関係なく15℃以上の気温があれば咲く。このところの冷え込みにも関わらず、花が咲いている。
一方、キツネノマゴの花期は夏から秋で、道端や草むらなどに生える一年草。花は小さく、目立たない。特に、今はキツネノマゴ自体が小さい。茎の先端から穂状花序を出し、2cm〜5cmほどの花穂に、点々と2つ3つまばらに咲く。花の大きさは7mmほどで、花は唇花型、上唇は小さく三角形で、先端は2裂、全体は白いが、下唇が広く赤紫なので、うすい赤紫の花に見える。画像は11月末のもので、偶然足元で咲いていたもの。