ツマグロヒョウモンの翅

 ツマグロヒョウモンは野原や公園などに広く生息し、都市ではヒョウモンチョウの中で最も見る機会が多い。南方系のチョウで、幼虫がパンジーなどスミレ類を広く食べることから園芸植物にまぎれて広がった。また、地球の温暖化もこのチョウの隆盛に一役買っている。オスとメスの姿は違っていて、オスは後翅のへりが黒くなっているだけだが、メスは前翅の端の黒が目立ち、綺麗である(画像)。

 画像を見ると、チョウの左右両方の翅が破れている。飛ぶのに支障はないように見えたが、気になり調べてみると、翅の修復の記事が見つかった。意外に簡単に修復ができるようで、鳥の羽とは違っている。トリやコウモリの羽は、爬虫類や哺乳類の前足が変化してできたもので、これらの羽はヒトの手やイヌの前足などと同じ。だが、昆虫の翅は烏の羽とは形や働きが同じだけで、起源や発生過程が異なり、両者は相似器官に過ぎない。トンボやチョウなどの翅は皮膚の突出物、つまりコブのようなもので、生物学用語では「外生物」と呼ばれている。実際、原始的な昆虫に翅はない。そのため、簡単に修復できるのかも知れない。

*翅の修復:http://freethink.way-nifty.com/action/2010/06/post-09f6.html

*  翅の起源についての二つの説:(1)付属肢に生じた器官が変化したもので、その位置が徐々に背側に移動してきたとする付属肢器官起源説。(2)全く新しいものが背板から出てきたとする側背板起源説。いずれが正しいかの決着はまだついていない。

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