シオヤアブ(塩屋虻)はハエ目(双翅目)ムシヒキアブ科の昆虫。「塩屋虻」という名前は、成虫のオスの腹の端に白い毛が密生し、塩を吹いているように見えることに由来します。この白い毛はメスにはなく、オスとメスの見分けは意外に簡単です。また、オスとメスでは体格差もあり、メスの方が大きく、性差ははっきりしています。
シオヤアブは大型のムシヒキアブで、飛翔する昆虫を襲って捕食し,時には自分より数倍大型の虫も仕留めます。特に、成虫はコウチュウ目やチョウ目などの昆虫を獲物とし、スズメバチやオニヤンマなどを襲うこともあります。シオヤアブは昆虫界最強クラスの戦闘力を誇るのです。幼虫は土中や朽木中に生息し,コガネムシ類の幼虫を捕食します。
オオスズメバチ、オオカマキリ、カブトムシなどと並んで、シオヤアブは最強の肉食ハンターなのです。哺乳類と昆虫は別で、昆虫には弱肉強食が成り立たないと考えたくなるのですが、昆虫だけでなく、どんな生物についても自然選択が働いている(つまり、弱肉強食の世界である)と考えるのがダーウィンの進化論の主張なのです。