ナンキンハゼの黄色い花

 ナンキンハゼは中国の中南部を原産地とし、種から蝋を採る有用樹として江戸時代に長崎を経由して日本に持ち込まれた。「ハゼ」という名はついているが、ウルシ科のハゼとは別もので、樹液に触れてもかぶれることはない。ハゼと同じように蝋が採取できる中国の木ということで命名された説、紅葉が埴輪の色に似ているため、埴輪を作る埴師(はにし)にちなんで命名された説がある。

 新緑、紅葉、風変わりな実、と観賞価値が多いわりに手入れが簡単で、街路樹として使われることが多い。画像もそのような一つ。多くの樹木は美しく紅葉するために寒さが必要だが、ナンキンハゼは暖地でも綺麗な紅葉を見せる。

 今頃画像のような花を咲かせるが、花には微香がある。「枝先に長さ6〜18cmの総状花序をだし、黄色の小さな花が多数つく。花序の上部に多数の雄花、基部に0〜数個の雌花がつき、雄花は長さ2〜3mmの柄があり、萼は皿状で3浅裂し、雄しべは2個。雌花は3mmほどの柄があり、萼は3裂する。子房は長さ約2mm、花柱は3個。」というのが図鑑の説明だが、老眼には確かめるのが困難。

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