よく似た二つの花

 アブラナ科のスイートアリッサムは小花が集まって咲き、ほんのり甘く香ります。本来は多年草ですが、高温多湿に弱い性質のため、日本では一年草として扱われています。枝が横へ広がり、カーペット状になるので、花壇の前列や縁取りに植えられます。

 そんなスイートアリッサムの花壇を愛でながら、空き地を見ると、既にナズナの花が開いています。よく見れば、その花は今見たばかりのスイートアリッサムの花にそっくりではありませんか。スイートアリッサムの和名は「ニワナズナ(庭薺)」で、花が春の七草の一つとしてよく知られているナズナアブラナ科)に似ていることに由来するのを思い出しました。私にはスイートアリッサムの作出由来はよくわかりませんが、共にアブラナ科の二つの繋がりを似た花を通じて窺うことができます。

*「薺」は「撫菜」(なでな)からの変化で、「なでたいほどかわいい菜」という意味である。また、夏に枯れて無くなることから「夏無(なつな)」と呼ばれ、これが変化したとも言われている。

ナズナ

ナズナ