ツワブキの黄色い花

 湾岸地域ではツワブキ(石蕗、艶蕗、Farfugium japonicum)の花が今あちこちで咲いている。晩秋から初冬にかけて咲く黄色い花は風景に彩を添え、人気があるようだ。ツワブキはキク科ツワブキ属に属する常緑多年草で、茎や根に薬効がある。

 また、ツワブキの葉柄は食用になる。その葉はフキ(蕗)に似ていて、革質でつやがあることから「つやぶき」となった。地下には短いワサビ状の根茎が連なり、大きな株になる。花は株の中心から出て、先端に10~30輪ほどのキクに似た、花径3cm前後の黄色い花を咲かせる(画像)。開花時期は、10月中旬から11月末頃まで。

 冬から春にかけて、ツワブキの若葉を摘み取って、「きゃらぶき」をつくることができる。九州での収穫は1月頃から始まり、食べ頃の旬は3月から4月。フキとよく似ているが、フキが夏に葉を広げるのに対し、このツワブキは常緑性で一年中青々としている。

 フキノトウができるのがフキである。「きゃらぶき」はフキよりツワブキで作った方が野趣あふれる味がするらしいが、私は「きゃらぶき」はフキの「きゃらぶき」だとすっかり思い込んでいた。そのためか、ツワブキを食べる気にはならないが、ピロリジジンアルカロイドと呼ばれる有毒物質が含まれていて、アク抜きが不可欠である。