アベリアの花と萼片

 アベリアは19世紀中期にイタリアで生まれた交配種で、中国原産のシナツクバネウツギ(=タイワンツクバネウツギ)と同じ中国原産のアベリアユニフローラからつくられ、和名は「花園衝羽根空木」(はなぞのつくばねうつぎ)。両親の長所であるとても長い開花期や、半常緑でありながら寒さに強いという特徴を受け継いでいて、湾岸地域でもあちこちで見ることができる優秀な園芸品種。

 ずっと気になっていたのがアベリアの花の後に残る赤い小片。それは実は萼片で、それが羽根突きの羽根に似ていることから「ツクバネ~」と呼ばれてきた。私だけではなく、昔の人たちもその萼片が気になって、そのため名前に残したのだと勝手に思っている。この萼片が別の色だったらどうなるか、それを想像しながらアベリアを楽しんでいる。