ウツボグサの花

 ウツボグサ(靫草、空穂草)はシソ科ウツボグサ属の多年生植物。日当たりのよい山地に自生する。開花時期は5月~8月で、紫色の花と緑の葉が美しい。和名の「ウツボグサ」は乾燥した花穂の形が矢を入れる武具の「靭(うつぼ)」に似ていることに由来。また、郭公(かっこう)の鳴くころから咲き始めるため、「郭公花」、「郭公草」とも呼ばれる。

 若い葉や茎はサラダ・スープ・天ぷら等にして食べることができる。花穂の上から開花し、いちばん下に小花が咲くころには、上のほうは枯れ始めて茶褐色になる。薬用には褐色になりかけた花穂を用い、日当たりのよいところで速やかに乾燥させたものを夏枯草(カゴソウ)といい、薬用には煎液を口内炎扁桃炎の改善、腎炎や膀胱炎に対する利尿薬として内服する。そのため、生薬名は「夏枯草」。